性格や強みを踏まえ、実践しながらリーダーシップ力を養う「リーダー養成塾」

これからの宮崎をリードする人材育成を目的に宮崎県が実施している「ひなたMBA（みやざきビジネスアカデミー）」。プログラム内容は、経営幹部向けの講座から若手社員が受講できる講座まで様々です。今回はその中の一つ、「リーダー養成塾」の模様をお届けします。

MBTIやストレングス・ファインダーを活用し、自己理解を深める

部下育成やチーム活性化に課題感を持つリーダーなどを対象にした「リーダー養成塾」では、自己認識を深めリーダーシップや行動力を磨くことを目的としています。株式会社グロービス※と共同で開講しているプログラムで、自身の性格や指向、強みなどを診断テストを活用して把握したり、受講期間内に実践と振り返りを行ったりすることで、リーダーとしてのスキル向上を目指します。事前に取り組んだ課題をもとに、ディスカッションを通して学びを深めていくのも特徴です。

講師を務めるのは、企業の経営者育成や組織開発を行っている芹沢宗一郎講師。毎回7時間、3日間かけて行う同講座には今年25人が参加しています。各自が事前にMBTI診断（認知スタイルという視点で性格を捉えるツール）とストレングス・ファインダー(強みの資質診断ツール）を行い臨んだ初回の講座では、まず診断結果を活用し自身の性格・指向を把握。その後リーダーとしての行動の型を学んだ上で、実践での活かし方を考えていきました。

「正解なんてない」の声掛けで、受講者の不安を取り除く場面も

11月22日に開講した第2回のテーマは「他者に影響力を発揮する」。前半では、前回の講座後に作成したコミットメントシートを使い、１ヶ月間で実践したことなどのリーダー行動について、グループ内で振り返りを行いました。発表時には受講者から「意識して過ごしてみましたが、行動がかなり変わりました」と効果を実感している意見も上がりました。

発表の際は、受講者の意見に対して「あ〜、良いですね」「なるほどね」と、まずは必ず笑顔で受け止めコメントする芹沢講師。その様子を見て、少し緊張した面持ちで発表していた受講者にも発表の途中からは笑顔が見られました。また、なかなか受講者から意見が出ない場面では「正解なんてないので」「手を上げずに発表しても良いですからね」など、発表することへのハードルを下げ、受講者の不安を取り除くような声掛けも行っていました。途中には、過去に自身が登壇した講座での話など、講師経験が豊富な芹沢講師ならではのエピソードで笑いを誘う場面も。

リアルなシチュエーションのロールプレイでは多くの気づきが

後半は、肩書や役職が持つ力や個人が持つ魅力、人間関係からくる力といった人が持つ様々なパワーや、影響力を発揮するとはどういうことなのかを考え、人や組織を動かす際のポイントや難点について学んでいきました。グループ内で各自の意見を発表した際には、「うんうん」と頷きながら互いの考えについて共感したり、「確かにその考えもありますね」「なるほど、そういう部分を見るんですね」などと他の受講者の意見から新たな気づきを得たりしている受講者の姿も見られました。

今回の講座で最も盛り上がったのは、2人１組でロールプレイを行った場面。上司と部下の役になり、性格・指向や強みが異なる相手を動かすには、どのような難所やポイントがあるのか、現場に近いシチュエーションで体験しました。互いが役になりきっている分、議論はかなり白熱した様子。その分気づきも多かったようで、ロールプレイ後は受講者から、「相手のタイプに合わせた対応の難しさを実感しました」「それぞれの特性を活かせるような指導を心がけていきたいです」などの意見が出ていました。

受講者の皆さんがこれから組織のリーダーとしてどのように学びを実践し、宮崎をリードしていくのか、期待が膨らみますね。

取材・撮影・構成・執筆＝藤井美帆（Qurumu）

※グロービス （https://www.globis.co.jp）

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